アメリカで行われる「アナトミースキャン」(Anatomy Scan)は、妊娠中期に受ける重要な超音波検査の一つです。この検査は、胎児の健康状態を確認し、特に体の成長や異常の有無を診断するために行われます。この記事では、私が妊娠20週の時に行ったアナトミースキャン体験、検査の流れ、検査結果、そしてアメリカ特有の事情について詳しく説明します。
1. アナトミースキャンとは?
アナトミースキャンは、妊娠18週から22週の間に実施される超音波検査で、胎児の各部位の詳細を確認します。この時期に胎児の骨や臓器が十分に発達しているため、心臓、脳、腎臓、脊椎、四肢などの状態を観察しやすくなります。また、胎児の体重や羊水の量、胎盤の位置も確認されます。アナトミースキャンは「20週検診」とも呼ばれ、妊娠中期の大切な検査の一つです。
2. 検査の目的
アナトミースキャンの主な目的は、胎児の体の異常を早期に発見することです。|この検査では、以下の項目が主にチェックされます。
- 胎児の体重や成長具合:胎児が妊娠週数に見合った成長をしているかどうかを確認します。
- 臓器や骨の発達状況:脳、心臓、腎臓、肝臓、胃、膀胱などの内臓や、脊椎、四肢などの骨の形成状態を観察します。
- 胎盤や羊水の状況:胎盤が正しい位置にあるか、羊水の量が適切かどうかも確認されます。
- 性別の確認:希望する場合は、このスキャンで胎児の性別を確認することができます。
3. アナトミースキャンのタイミング
通常、アナトミースキャンは妊娠18週から22週に行われるそう。この時期は、胎児の臓器が確認できるサイズになり、詳細に赤ちゃんの健康状態を確認できるんだそうです。また、妊娠後期に入る前に異常が発見されれば、早期対応が可能なため、このタイミングでのスキャンが推奨されています。
4. アナトミースキャンの流れ
私が実際に体験したアナトミースキャンの流れを紹介します。
- 受付と準備:まず、受付を済ませて診察室に入ります。検査用のジェルが腹部に塗られ、超音波プローブが使用されます。
- 超音波スキャン:技師がプローブを操作し、胎児の各部位を確認します。この際、心臓の鼓動や手足の動きなどをモニターで見ることができます。頭から足の先まで入念にチェックをします。アナトミースキャンでは、指の本数や口蓋裂の有無など、細かい部分も確認されました。しかし、赤ちゃんのポジションによっては見えない部分もあり、超音波で少し刺激を与えて赤ちゃんを動かす場面もありました。私の場合、検査当日は赤ちゃんがなかなか顔を見せてくれず、特に心臓の4つの部屋を確認する写真を撮るのに苦労しました。途中、トイレに行ったり、腰を動かしたり、横向きになってみたりしましたが、最終的に心臓の1つの部屋の写真がうまく撮れず、そこだけ再検査となりました。検査は約1時間行われ、次の妊婦さんの予約があったため、予定された時間で終了しました。
- エコー写真確認スペシャリストによる確認
技師が撮影した画像を基に、専門のスペシャリストが胎児の健康状態を診断します。検査結果は約15〜20分で出ました。 - 結果の説明
検査が終わると、医師から結果についての説明があります。私の場合、ウルトラサウンドが終了し、チェックアップルームで待っている間に、エコー写真をチェックしていた担当医から電話がありました。「1つ確認できなかった部分を除いて異常なし」との報告を受け、ほっとしました。 - 再検査
クリニックに再度訪問し、追加のウルトラスキャンを受けました。前回のアナトミースキャンで心臓の一部が確認できなかったため、今回は30分かけて再検査を行いました。幸いにも、赤ちゃんがタイミングよく動いてくれ、検査開始から15分後にはクリアな写真が撮れました。同日、技師から「異常なし」との報告があり、安心しました。
5. アメリカ特有の事情
アメリカでアナトミースキャンを受ける際、いくつかの特有の点が挙げられます。まず、保険の適用範囲が異なるため、費用負担が異なります。通常、アナトミースキャンは医療保険に含まれることが多いですが、加入している保険のプランによっては追加料金が発生することもあります。私のケースでは、再検査が必要だったので、その分の追加請求がありました。決して安くない金額でしたが、可愛い我が子の健康のためです(笑)
また、検査の内容や技師の対応は、病院や州ごとに異なる場合があります。特に、病院によっては性別の確認を希望する場合、別途リクエストが必要になることがあります。また、性別を事前に知りたくない場合は、その旨を事前に伝えておくことが重要です。
さらに、アメリカの病院では患者のプライバシーが厳重に保護されているため、家族が一緒に検査室に入れるかどうかも施設によって異なります。ほとんどの場合、パートナーや家族が同伴できることが多いですが、パンデミックの影響などによっては制限があることもあります。
6. 結果とその後の対応
アナトミースキャンの結果は、検査当日に口頭で説明されることが一般的です。しかし、より詳細な検査が必要と判断された場合、さらなる検査や専門医の診察を勧められることがあります。もし異常が見つかった場合は、出生前の治療や対応方法が提案されることがあります。
また、アナトミースキャン後の健診スケジュールも重要です。特に、次回の健診では、スキャン結果に基づいて胎児の成長や健康状態が再確認されることが多いため、適切な間隔での健診を怠らないようにしましょう。
7. まとめ
アメリカでのアナトミースキャンは、胎児の健康状態を詳細に確認できる非常に重要な検査です。日本のように毎回の健診で超音波検査が行われるわけではないアメリカでは、この検査が妊娠中期に1時間かけてじっくりと赤ちゃんの成長を確認できる貴重な機会となります。私の場合、出産までにウルトラサウンドは今回のアナトミースキャンを含めて4回だけ予定されています。このように限られた機会なので、ぜひパートナーと一緒に受診されることをおすすめします。